本特攻兵力ノ使用ニ機ヲウカガヒ続ケ

宇垣長官の書いていた日誌『戦藻録』において彼自身が記述しているところによると、桜花隊出撃前の心境として「敵ハ相当大ナル損害ヲ蒙リタルモノノゴトク上空警戒モ少ナシ」とそれまでの3日間の特攻を含めた全力攻撃で相当の被害を敵に与えたものと誤認しており
「18日以来、本特攻兵力ノ使用ニ機ヲウカガヒ続ケ、何トカシテ本法ニ生命ヲ与ヘントシタリ」と、既に作戦目的が何とかして桜花作戦を敵撃滅の切り札にしたいというものに変わっていて、特攻によって敵が撃滅できると信じていた節がある。つまりはレイテ時に大西中将が戦果をあげる為に止むを得ず取った“外道の戦法”(特別攻撃隊を)がこの時点では日本軍としては“正攻法”に変わっていることを意味している。
また、部下の生命を無視してでもこの戦法を成功させたいという戦果と戦法の優先順位が完全に逆となっている思考になっていることも窺え、まず“戦法ありき”で“戦果”は二の次なのである。
更に「今ニシテ機ヲ逸セバ再ビウルシーへ梓隊ノ遠征ヲ余儀ナクサレ、シカモ成功ノ算大ナラズ」と失敗に終わった梓隊の結果が今回の出撃決定に繋がった。
update:2009年09月11日